心理学と大脳生理学の原理に基づいて
自分の才能や能力タイプを知り
がんばらずに成功する「デュアルデザイン®」という概念を体系化した
西剛志(にし・たけゆき)博士に、
「うまくいく人たちの脳と心のしくみ」の基本の”キ”をお話ししてもらいました!

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これまで1,000人以上もの方々の
ビジネスからプライベートまでうまくいくためのサポートをされてきた西博士。

実は、「本当に身につく学び研究所」所長の上口サリーは、
この西博士に出逢ったことで、人生の転機を迎えたのです。

現在、「生産性を高める」ことに注力しているサリーですが、
学習能力をいかに高めるか、仕事をいかに効率的に進めるかというのは、
「脳と心のしくみ」をより理解することが基本として大切になります。

「おしえて博士!」シリーズ第1回目の今回は、
「意識脳・無意識脳」の違いについて教えていただきます!

おしえて博士!〜其の1 私たちの2つの脳「意識脳と無意識脳」

人のタイプを「理系/文系」などと分類しがちですが・・・

人は誰しも、より良いコミュニケーションをしようと思って
相手のことを理解するのに、なんらかの分類をしようとしてしまいますね。

特に一般的には
「あの人は理系だから◯◯だね」
「私は文系だから△△なの」
などと聞きますね。

最近では「右脳タイプ」「左脳タイプ」なども流行っています。

2分類することが多いかもしれませんね。

でもこれって、まさか生まれつき決まったものではありませんよね?

人のタイプを分類する時にそもそも何を基準にして考えるといいのか、
博士に尋ねてみます!

 

相手のことも自分のことも、なんとなく分類しながら、
コミュニケーションの役に立てようとすることがあると、よく聞きます。

そこで、
人の特性や才能を引き出すプロフェッショナルの博士にお伺いしたいのですが、

実際のところ、人は元々持って生まれた性質で
きっちり分けて考えられるものなのでしょうか?

そうですね^^  そういうタイプ分けして考えるお話は聞きますよね。

例えば私は、東京工業大学という理系の大学で博士課程まで進みましたので
理系分野だけで生きてきた時代もあったわけなのですが、

そこのコミュニティーには、いわゆる「理系タイプ」の人たちしかいない世界でした。
やってる内容も全部理系分野でのことでした。

そういう環境でしたからね、
その頃は「結果を重視する」という生き方を私もしていました。
...これも理系タイプですかね?(笑)

理系と文系での分類というのは一つの例だったとしても
脳や性格のタイプというのは、
元々持って生まれたものがあって、
それはずっと変わらないものなのでしょうか?

私には自身が変わる大きなきっかけがありました。

最も活躍していた時代に難病宣告をされてしまって、
もう治らないと言われながら闘病生活をしている時に、
ふと病室のテーブルを見ると一冊の本が置いてあったんですね。

結婚したばかりの妻が置いていったようだったのですが、
それがですね、それまで私には全く興味がなかった
「心の分野」に関する本だったのです。

何せ専門書しか読まなかったので(笑)

心に関する本を、初めて読んでみていかがでしたか?

それまで大切にしてこなかったことが、
本当は大切なのだと気付きました。

「無意識」の素晴らしいパワーについて学びました。

...上口さんもテーマにされている「生産性」ですけれどもね、
意識だけを使っていても、
本当の生産性はなかなか上がらないってことなんですよ。

私たちの脳には、
「意識」と「無意識」という2つの領域があるわけですね。

意識は理性なんですよ
ある意味、理科系ですね(笑)

そして、無意識は感覚です。
文化系でしょうか?

両方を体験した私としては、
「意識と無意識の両方が大切なんだな」と感じました。

博士はどちらも体験したということですよね?

理科系とか文化系...元々、人は、
潜在的にはどちらも持っているものなのです。

例えば後天的な病気で「サヴァン症候群」というのがあります。
長い間、肉体労働者として生きてきた男性が事故に遭い、
ある時シャワーを浴びていたら、水と一緒に数式が降ってきたんです。
これまで見たこともないような記号が降ってきてそれを浴びたんです。
それはどうやら数学の記号だと気づきました。
外出してもすれ違う自動車を見ると記号が見えてきたり...
しかも彼は、それを全部理解できる!

そして、高校時代には落第点を取っていた男性が、後天的に天才となり、
今では大学の助教授にまでなったという話があります。

全く勉強もしたことがなく、環境も整っていなかったので
使っていなかっただけだったのですが、
彼には元々数学的才能が潜在的にあったということですよね。

人は過去の経験で「物の見方」を決めている

これまでお話を伺ってきまして、
「理科系」「文化系」という分け方で
きっぱりとタイプを決めてしまうというよりは
そのどちらのタイプについても
すでに能力を持っている可能性があると考える方が
楽しくなりますね!

 

先生が好きになるとその教科が好きになるという経験、ありませんか?

あります!あります!(笑)

苦手だと思っていた理科が、先生が変わった瞬間に得意になったり^^
好きだと思っていた古文が、先生が好きじゃなくて嫌いになったり...

人は「過去の経験」で物の見方を決めてしまいます。

例えば、理系脳・文系脳っていう分類ですが、
意外と両方持っている可能性あるんですよ。

その特性は元々持っている。
ただ、今どちらが優位になっているか...ということで
発揮していない能力もあるのです。

数学的才能がずば抜けて持っている方がいるけど、それを発揮できていない可能性ある。

どういう人と付き合ってきたというプロセスで決まっている可能性もあります。

できれば、せっかく持っている特性は、
十分に発揮できるといいなぁと思いますよねぇ〜

どちらか一方しか優位に立たないものなのでしょうか?
だから、理数系・文化系でそれぞれ得意分野を担うのが当然なのですか?

私が何故、今、「脳と心のしくみ」を研究する仕事をしてるかというと、
過去に、「意識・理科系・論理・計算」という世界に
究極的に生きてきた結果... 結局うまくいかずに痛い思いしたからなのです。
そして真逆の精神世界のことも研究しました。

どちらの世界も見ました。
そして、どちらの世界も見ることが大切なのだと
心の底からわかりました。

世界中で上手くいっている方というのは、
ビジネスでもスポーツでもどんな分野でも、
バランスよくどちらの特性も持っているのです。

理論的に考えるけど、最終的に直感で決めるとか(笑)

両方使いこなしていらっしゃるんですね。

では、相対する二つの領域は、
一緒に活躍させることもできるわけですね!

能力を元々持ってるのに、これまでの環境的な影響で
今はどちらかに振れているというだけなのです。

意識:無意識の比率が
「7:3」だったり「5:5」だったり、それは人によって違いますが。

上手くいく人はどちらも使っています。

「生産性を高める」というテーマにも当てはまりそうですね!

売上とか計画などを、頭だけで考えて
「この計画が達成できなかったら最悪だなぁ」と思って
なかなか実践しない方・・・きっと疲れますよね。

ビジネスって、
意識脳だけで対応していると追いつかないんですよ。

もちろん無意識脳だけでもできません。

全てはバランスよく両方を使うことが大切です。

計画は大切だけど、
その内容をいざ実践するためには
心理面が大切になりますものね。


 

■西 剛志(にし・たけゆき)工学博士(生物分子学/バイオテクノロジー)

1975年 宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院 生命情報専攻卒。
2002年に博士号を取得後、理系では初めてのバイオ特許研究者として(財)知的財産研究所に入所。
2003年に特許庁に入庁。遺伝子やクローン技術など最先端の仕事を手掛け、書籍出版、雑誌掲載、ノーベル賞受賞者対談、世界旅行、最愛の妻との結婚、念願の会社設立まで果たし多くの夢を実現。

その後、自身の夢を叶えてきたプロセスが、心理学と大脳生理学の原理に基づくことに気付き、自分の才能や能力タイプを知ることで、がんばらずに成功する「デュアルデザイン®」という概念を体系化。 現代の魔法とも言われる米国で開発された神経言語プログラミング(NLP)や東洋思想にも造詣が深い。

また2008年春には、完治が難しいとされた難病の成人スティル病も克服し、子供から大人まで全ての人が豊かに生きるための知恵を世界に提供することをライフワークとする。

うまくいかない分野を短期間で改善したり、長年続いていた無意識のクセや習慣を望む方向に変化させる技術には定評があり、現在全国にその活動の幅を広げている。
意識の壁をすり抜けて相手にメッセージを届ける「言葉の魔術」プログラムも全国に展開中。

著書・雑誌掲載
※ 「科学技術と知的財産」 〜第9講バイオテクノロジーと特許〜(文化創造研究所)
※ 「遺伝子・タンパク特許の現状とイノベーションから見たその保護の在り方」、知財研フォーラムVol.57, 2004
※ 「生体レセプターを基盤とした創薬」, ファルマシア, Vol.37, 2001(日本薬学会)
※ 米国科学誌, J.Biol.Chem., Vol.277(46), 2002, p.44548-56
※ 「Current situation surrounding patents on genes and proteins」, Patents&Licensing, Vol.34(3), 2004

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